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大学の非正規・有期雇用とジェンダー
 
12月13日に開かれた第3回裁判に、悪天候にもかかわらず、法廷からあふれんばかりの皆様に来ていただき本当にありがとうございます。次回、2月10日11時からの裁判の傍聴もよろしくお願い申し上げます。

大学における有期雇用問題について、ジェンダーの視点から二つの原稿を書きました。

ひとつは、アジア女性資料センターの『女たちの21世紀』(64号、2010年12月発行)「国内ニュース 大学における有期雇用とジェンダー」という記事です

もうひとつは、女性労働問題研究会『女性労働研究』(55号、2011年2月発行)「法廷から 龍谷大学雇い止め事件」という記事です。

ょっと一部をご紹介しましょう。

 大学の常勤の教員は,「教授,准教授,講師,助教、助手」と呼ばれ、女性の比率は18.2%(2007年度『学校基本調査報告書』)である。国立大学に限ると助手を除く女性は11.8%だが、助手は52.9%と高く、女性が補助的地位に集中している。常勤教員は週平均6-7コマを担当し、任期の無い正規の専任教員の年収は40代で多くの場合1000万円を越える。
大学教員任期制導入以来、常勤の中にも3、5年などの有期雇用が急増している。彼らは常勤・専任であっても、年収は200~300万程度、社会・雇用保険、退職金などが無い場合も多い。東京大学では、任期の無い正規の教授では女性はわずか4%だが、有期雇用教職員の女性は25%にのぼるという。
「非常勤講師」については、少子化による経営難を理由に各大学が人件費抑制を進めた結果、50%を超える。大学非常勤講師実態調査アンケート報告書 (2005-06年)によれば、彼らの65%以上は本務校を持たない専業非常勤講師である。多くは1コマ2万5000~3万円の賃金で、常勤を上回る10コマ近くを掛け持ちしている。同じ1コマでも正規の専任教員と比べると、10倍以上の賃金格差がある。契約は1年または半年契約で、半数は雇い止めを経験している。女性の比率は55%と過半数を超える。
龍谷大学に注目しよう。専任教員504名中、特別任用教員など有期の教員は七七名。正規と有期の比が2:1、1:1の学部もある。特別任用教員は諸手当や福利厚生は付くものの、給与は50~60%にとどまる。有期を含む専任教員の性別構成を見ると、最も女性比率が高い短期大学部で44%、最も低い理工学部で2.7%、専任教員全体で約10%が女性である。この女性比率は他大学と比べて決して低い方ではない。しかし、龍谷でも女性は助手、助教、講師などに偏っている傾向がみえる。一方、非常勤講師の数は1070名、専任教員の2倍に達している。うち本務校のない不安定な専業非常勤教員は544名である。
職員では、正規専任職員240名に対して嘱託は187名、43.8%に達し(2010年4月現在)、アルバイト職員42人、派遣職員23人(2008年5月)とあわせると、半数近くが非正規ということになる。事務系嘱託職員の賃金は、勤務年数に応じて約16万9000~18万7000円が上限である。これに対して正規職員は29才ですでに30万円を越え、年々昇給昇進が約束されており、格差は歴然としている。アルバイトに至っては、時給はわずか870円に過ぎず、雇用保険などの福利厚生もない。
龍谷大学教職員組合が嘱託、派遣、アルバイト職員に行ったアンケートを見ると、匿名性という点から性別は不明だが、おそらく80%以上が女性であろう。在職期間はアルバイトの90%以上が一年未満だが、嘱託では約半数が3年以上である。また、嘱託、派遣、アルバイトで働いていることで約40%が、職場環境や個人生活にとって問題があると答えている。正規職員としての採用を希望している者は半数以上である。

 このように、大学においても有期雇用はジェンダー問題です。私の書いた原稿が、少しでも多くの人にそういう認識を持っていただくことに役立てば嬉しいです。



スリランカ女性の海外出稼ぎ労働に関する論文が出版されました!

 「スリランカ女性の海外出稼ぎ労働―聞き取り調査から貧困緩和効果を考える」駒井洋[監修]、首藤もと子[編著]『東南・南アジアのディアスポラ』叢書グローバルディアスポラ2、明石書店、2010年12月。
 これは、スリランカとUAE、クウェートにおけるスリランカ人出稼ぎ女性への聞き取り調査をもとに、海外出稼ぎ労働が貧困緩和に効果があるか否かを検証した論文です。
 この論文の出版は、雇い止めになった私にとって、本当に嬉しいことです。研究者にとって、職が無いということは、研究の場も、その発表の場も奪われたことを意味するからです。
 私はスリランカやインドネシアの女性たちの話しを聞いて歩くことが大好きです。過酷な労働に耐え、ワーキングプアであっても懸命に家計を支えている女性たちから、たくさんのパワーをもらいます。同時に、そういう女性たちの姿を日本の女性にも伝えたい。そのためにも職場復帰して研究の場に戻りたい。今回の出版で、その思いを新たにしました。

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2010.12.27 / Top↑

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